「Mクラスに上がるという目標に向かって本人も意欲的に学習していますが、日能研のクラス昇降基準が不明確なので、やきもきする日々が続いています。
一発勝負のクラス分けテストがあれば照準を合わせやすいのですが、2か月間のテストで安定した成績を残さなくてはならない中で、日々どのようなことを意識し、
どのように言葉かけすればよいでしょうか?」に回答します。
おっしゃる通り、日能研のクラス昇降は基準が不明確ですね。
サピックスや四谷大塚などは月例テストの成績でクラスが輪切りにされます。一発勝負で決まるため、
日ごろいくらがんばっていても当日の体調が悪ければクラスが下がることもあり、厳しい面があります。
その一方で基準が明確なため、目的意識のあるお子さんにとっては学習モチベーションにつなげやすい面もあります。
それに対し、日能研はカリテとセンター模試成績の合計で判定されますし、素点に基づく絶対評価ではなく
相対評価を採用しているため、何点とればいいのかがはっきりしません。短期集中型の学習を得意にしているお子さんにとっては、
すっきりしない感じがするかもしれません。
日能研がこのような方式をとっているのは、コツコツと勉強を積み上げていくタイプのお子さんを
育てたいという考えを持っているからでしょう。ひらめきはあるけれど浮き沈みも激しいというお子さんよりも、
基礎をきっちりと固めて着実に力をつけていくお子さんを評価したいという考え方です。ご家庭での声かけも、この点を意識なさるのがよいでしょう。
まずカリテですが、直近の学習内容が十分に復習・定着しているかを確認するものです。カリテ前には範囲内の
内容をもう一度振り返り、自信を持ってテストに臨めるようにしたいですね。そしてテストを受けたらすぐに反省を行いましょう。
自信があったのに間違った問題があれば、テストの受け方を修正した方がよいでしょう。また、準備したことよりも細かい内容、
難しい内容がテストで問われたのであれば、どこまで理解する必要があるのかという学習要求度を、お子さんが見誤っている可能性があります。
テスト研究を丁寧に進めて、「ここまでやらなくちゃいけないんだ」という発見をさせてあげてください。
センター模試についても、テストに向かう姿勢そのものはカリテと同じです。ただし範囲が限定されていない分、
テスト前の総復習が簡単にはいきません。日ごろの学習時に、十分理解できた問題、不十分なところのある問題、
まったく自信のない問題それぞれを区別し、それぞれに印をつけてあれば、この復習がとても楽になります。
すでにできているものと、まったく自信のないものは後回しにして、少し勉強すれば理解できるようになるものに力を注ぐのが効率的です。
「常によい成績をとり続けなきゃ」と考えると気持ちに余裕がなくなりがちですが、実際には、
当たり前の学習を毎週コツコツと続けていけばよいのだということを、声かけしてあげてください。
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